ドーナッツ
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そうだ、一緒にドーナッツ屋さんに行こうよ。
コーヒーを飲んで、二人でドーナッツを食べよう。
君はピーナッツクランチ、僕はシナモン。
一口かじったドーナッツを顔の前に持ってきて、じっと眺めてる君を見て、僕が言う。
「今、『ドーナツが丸くてホントに良かった』とか言おうとしたでしょ」
「まぁ、そんなところね。どうして?」
「なんとなく、わかるんだ。」
「変な人。」
君はそういってから、僕を見て
「でもね、ドーナツが丸くなかったら、世界も違っていたと思うのよ。」
と言う。
「わかるよ。そういう風に考えるところも好きなんだ。」
僕がそういうと、君は笑いながら、
「私も変だけど、あなたはやっぱり相当変だわ。」
と言う。やっぱり、君の笑顔は素敵だな、と僕は思う。
そういう感じのドーナッツ屋さんが僕は好きです。
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※ このブログは「土曜日、公園にて」に掲載した“お話”を修正・加筆したものです。最新の“お話”は「土曜日、公園にて」に不定期で掲載しています。