雨
雨。
僕に降り注ぐ雨。
止まない雨。
赤い空から降ってくる。
青い雨。
「傘差さないでいいの?」
「いいんだよ。これでいいんだよ。」
ぼくの体温は少しずつ溶けて、アスファルトに吸い込まれて行った。
僕とアスファルトの境目がなくなったころ、君は言った。
「さようなら」
「うん、さようなら、最後までありがとう。」
僕は青い雨と混ざりながら、最後にありがとうと言えて良かったと思った。
・・・
これが僕の最後の記憶です。
・・・
※ このブログは「土曜日、公園にて」に掲載した“お話”を修正・加筆したものです。最新の“お話”は「土曜日、公園にて」に不定期で掲載しています。