雨
雨。
僕に降り注ぐ雨。
止まない雨。
赤い空から降ってくる。
青い雨。
「傘差さないでいいの?」
「いいんだよ。これでいいんだよ。」
ぼくの体温は少しずつ溶けて、アスファルトに吸い込まれて行った。
僕とアスファルトの境目がなくなったころ、君は言った。
「さようなら」
「うん、さようなら、最後までありがとう。」
僕は青い雨と混ざりながら、最後にありがとうと言えて良かったと思った。
・・・
これが僕の最後の記憶です。
・・・
※ このブログは「土曜日、公園にて」に掲載した“お話”を修正・加筆したものです。最新の“お話”は「土曜日、公園にて」に不定期で掲載しています。
コメント
この物語、知らなかったです(^_^;)
今回読ませてもらって、物凄く心がリンクしていく感じ。
『雨』が最後の記憶。。。最初の記憶は『…?』
hirobotさんは『』に何を入れますか?
投稿者: 翠京 | 2007年10月23日 21:02
翠京さん、こんばんは。
最初の記憶を呼び出そうとすると、頭が真っ白になって立ちすくんでしまいます。
夏、アイスコーヒー、象、電車の音、そのどれもが僕を混乱させます。
結局、僕はどこへも行けないのでしょう。
投稿者: hirobot | 2007年10月23日 22:09