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ドーナッツ



  ・・・

そうだ、一緒にドーナッツ屋さんに行こうよ。

コーヒーを飲んで、二人でドーナッツを食べよう。
 
君はピーナッツクランチ、僕はシナモン。
 
一口かじったドーナッツを顔の前に持ってきて、じっと眺めてる君を見て、僕が言う。

「今、『ドーナツが丸くてホントに良かった』とか言おうとしたでしょ」

「まぁ、そんなところね。どうして?」

「なんとなく、わかるんだ。」

「変な人。」

君はそういってから、僕を見て

「でもね、ドーナツが丸くなかったら、世界も違っていたと思うのよ。」

と言う。

「わかるよ。そういう風に考えるところも好きなんだ。」

僕がそういうと、君は笑いながら、

「私も変だけど、あなたはやっぱり相当変だわ。」

と言う。やっぱり、君の笑顔は素敵だな、と僕は思う。

そういう感じのドーナッツ屋さんが僕は好きです。


  ・・・

※ このブログは「土曜日、公園にて」に掲載した“お話”を修正・加筆したものです。最新の“お話”は「土曜日、公園にて」に不定期で掲載しています。

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作者 “hirobot” について

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